愛しさは生と死を超えて存在している

 

意識の旅が始まる。

 

穏やかに意識が変容していくのが分かる。

 

リアリティが夢そのものになり、変容した世界が「当たり前」の世界になる。

 

全てがシンプルで、パズルのピースとピースが完成している。

 

時間と空間の隙間が表れ始める。

 

それは、時間という「道具」と、空間という「物質」を固定していたボンドが取れるような感覚だった。

 

その隙間が反転するかのように、時空を包み込む。

 

その瞬間。完全に静かになり、時と空間が消える。

 

生と死が一つに繋がる。

 

すると、日本で帰りを待っているはずの妻と娘が目の前に現れる。

 

「あれ!?どうしてここにいるんだ?」

 

その問いに響いた答えは

 

「ずっと一緒にいるよ」

 

涙が溢れ始める。

 

いつも一緒だったことに気付いた。

 

他者を表現している世界は常に自分の中にあることを知った瞬間だった。

 

他者は常に僕の中で存在している。

 

この世界を離れたとしても、それは決して変わることが無い。

 

愛しさは生と死を超えて存在している。

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