意識の旅が始まる。
意図はアートや創造力、美術の神髄を知ること。
目の前にはスケッチブックと色鉛筆を用意している。
シャーマニックリチュアルが始まると、いつものように五感が明晰になり、あらゆる感覚が一つに繋がってくる。
心身は完全なリラックス状態で、とても気持ちがよい。
全身が恍惚状態。
更に意識が拡大しているのが分かる。
「アートとは何?」「創造性とは何?」
意図を想うと、世界中が様々な幾何学になってくる。
色とりどりの鮮やかな世界に包まれている。
色鉛筆を使い、スケッチブックに表れている絵に色を塗り始めていた。
「あれ?既に絵が完成しているじゃないか!」
まだ何も描いていないのに、既に絵が完成していた。
抽象画のようなマンダラのような絵がそこに現れていた。
そこに現れている色を色鉛筆で塗り始めるが、意味が無い事に気付く。
どんな色で塗っても同じ色になっているからだ。
黒のペンに持ち替えて、表れている模様を描くと、黒で描いている線が虹色に輝いている。
色鉛筆を使う必要性が無かった。
夢中に表れている模様や幾何学、形を描いていくと、
至福に包まれ始め、何も描けなくなる。
描く必要性が無い感覚。
僕自身が描いていた模様や色と一体化しているのだ。
絵と僕は同じだった。
何の区別も無く、一つの表現になっていた。
気付くと、空間や音も僕と同一化している。
やがて、一つの点、砂粒、一点の光になり、僕はその中で完全に消えた。
「僕」「私」という概念が無くなった。
それだけではなく、あらゆる意味や概念が無く、言葉で表現すれば単に至福しかない。
でも、森羅万象の全てがある事も分かる。
何も無いけど、全てがある。
しばらくその状態にいると、徐々に衝動が表れてくる。
この世界を創造しはじめている。
再び、色や形、模様が表れ、僕という「個」が使えるようになる。
そして、時空が作られ、体の中に戻り、再び世界を認識始めた。
創造性、アート、美術の神髄。
それは、紛れもない「私」の表現だった。
絵を描くと想った瞬間に、既に絵は完成しているのだ。
意図が結果として現れる。
ただ、この世界には体があり、時空がある。
既に意識の中で完成している絵を、体を使って表現して描くという行動。
ここが難しくもあり、面白いポイントだと気付いた。
いろんな色を使ったり、道具を使ったり、画材を使ったり、パソコンを使ったり、いろんな工夫をしてインスピレーション、創造の世界を形作ること。
それが表現活動であり、生きる事にも繋がっている。
下手とか、上手いという二元性の評価は意識の世界から見れば意味が無い。
ただ、自由に描くだけで、私の本質が放射する。
アートの神髄は、源の表れだった。